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今回もブックレビューです。
ホラーっぽいタイトルですが、ホラーではなくミステリー。 江戸川乱歩賞の受賞作らしく、また、映画化もされたようです。
ストーリーは、非常に簡単にまとめると 死刑囚の冤罪を晴らすお話。 元刑務官の南郷、傷害致死の前科を持つ青年・三上。 このふたりが調査を進めていくにしたがって 少しずつ明らかになっていく事件の全容。 しかし、刑が執行されるまでの時間はごくわずか。 はたして間に合うのか? とにかく、ぐぐぐいっと引き込まれた。 一気にラストまで。 最近、ミステリー作品を読むと 絶対にありえないであろう設定があったり 唐突すぎる展開で肩すかしをくらったりすることが多かったけれど 今回はそういう裏切りがない。 がっかりすることなく、最後まではらはらどきどき。 作品を読んでいる、というよりも 自分も一緒になって推理したり悩んだりしている感覚。 そして、ミステリー作品でありながら 同時に多くの問題提起を含んでいる作品。 いつ刑が執行されるかわからないという死刑囚の恐怖。 死刑を執行する側の苦悩。 日本の死刑制度の矛盾点や不条理。 私は死刑反対論者ではない。 けれど、執行に大きな危険がはらんでいることは否めない。 冤罪だとしたら、それは「刑」ではなく「殺人」だ。 罪とは。 正義とは。 そんなことを考えさせられる。 ★★★★★ |
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